2000年以降の噴火活動記録

西暦
元号
月日
噴火記録(参考文献)
噴火活動
2000
平成12年

 2月

21日(火山,第2集、第45巻、第2号、2000)

島内で降灰を確認した。

 12月

19,20日(火山,第2集、第46巻、第1号、2001)

19日に十島村役場から噴煙の状態に変化があるとの通報があり、翌20日に鹿児島地方気象台と京都大学は、鹿児島県の協力による上空からの観測を行い、噴火を確認した。従来より噴煙を上げている御岳火口は乳白色の噴煙を勢いよく噴出していた。さらに御岳火口より北側と東側斜面に新しい噴出口が形成され、灰白色と白色の噴煙を勢いよく噴出していた。噴煙の高さは御岳火口上約500mで、それより上は雲に入り確認できなかった。噴火を確認したのは本年1月8日、2月21日以来である。

21,23,24日(火山,第2集、第46巻、第1号、2001) 23日と24日の上空からの観測によると、御岳火口東側斜面の2ヶ所から茶褐色と白色の噴煙が火口上約300mまで上がっていた。その色と勢いには、断続的な変化が見られた。一方、20日に確認されていた御岳火口北側の噴煙および噴出口は、確認されなかった。御岳火口からは依然白色の噴煙を上げていた。また、24日に京都大学が上空からの観測を行った結果、御岳火口の最高温度は約450℃であった。
29〜30,31日(火山,第2集、第46巻、第1号、2001)

十島村役場によると、12月21日以降は島内で降灰があった。29日10時30分頃には、20日に確認された新噴出口で小噴火があり、29〜30日にかけて諏訪之瀬島では多量の降灰が確認され、平島(諏訪之瀬島の西北約15km)でも降灰があった。この噴火では爆発音を伴った。
 福岡管区気象台が12月23日から開始している地震計による機動観測では、29〜30日に 微動レベルが大きくなり、31日以降は小さいながらも観測されている。また京都大学の観測によると、29日昼前より噴煙の放出に伴う火山性微動の増加が観測されており、発生頻度は1995年以降では最も高いレベルとなった。

2001
平成13年
 1月

14〜19日(火山,第2集、第46巻、第1号、2001)

火山灰混じりの噴煙を上げ、島内で降灰があった。

 

2月
13〜14,20日(火山,第2集、第46巻、第1号、2001) 13〜14日には火口上400〜500mの火山灰混じりの噴煙を上げ、島内で降灰を確認した。
 20日に鹿児島地方気象台が海上自衛隊の協力により行った上空からの観測では、白色の噴煙が御岳火口上約100mまで上がり、また、東側斜面の新しい噴出口のうち上の噴出口からは薄い白色の噴煙が、高さ約50mまで上がっていた。
3月
5〜9日(火山,第2集、第46巻、第3号、2001) 十島村役場によると、6日に御岳火口が噴火し、噴煙が勢いよく噴出しているのを確認した。噴煙の色は黒色に近く、高さは不明で東に流れていた。2000年12月20日以降では、噴煙は最も黒色で火山灰を多く含んでいた。また、5〜9日に火山灰を含む噴煙を確認した。火山灰を含む噴煙の確認は2月13〜14日以来である。第十管区海上保安本部の上空からの観測によると、噴火の翌7日も噴煙活動は活発であった。
6,14〜16,25〜26日(火山,第2集、第46巻、第3号、2001) 14〜16日に地震がまとまって発生(4〜12回)したほか、6,25,26日にも地震があった。
4月
4日(火山,第2集、第46巻、第3号、2001) 島内で降灰があった。
5月
10〜13日(火山,第2集、第46巻、第4号、2001) 十島村役場によると、5月に一時的に噴火活動が活発であった。10日朝に黒色の噴煙を約500m上げ、11〜12日にかけては、灰色の噴煙を約1000〜1500m上げているのを確認した。12日に鹿児島県の協力で行った上空からの観測では、2000年12月にできた新しい火口(御岳火口東側斜面上側)から灰色の噴煙を上げているのを確認した。
 10日夜から13日にかけて、噴火に伴う火山性微動が発生し、12日には爆発に伴う空振が4回発生した。京都大学防災研究所火山活動研究センターの空振計によると、10日夜から噴火に伴う微弱な空振を、12日には爆発に伴う空振を4回計測した。
7月
1〜3,19,26,27,30日(火山,第2集、第46巻、第5号、2001) 7月に一時的に噴火活動が活発となり、26日には4回の爆発を観測した(5月12日以来)。十島村役場によると1〜3,26,27,30日に、灰色の噴煙が火口上600〜1000mまで上がっているのを確認した。また、2,19,26,27日に、島内で少量の降灰があった。
26〜28日(火山,第2集、第46巻、第5号、2001) 地震活動が26〜28日に活発になり、26日には121回の地震が発生した。7月は計314回発生した。また、噴火に伴うとみられる火山性微動が断続的に発生した。
8月
?(火山,第2集、第46巻、第5号、2001) 8月に入っても地震は増減を繰り返しながら続き、月回数は440回であった。
9月
?(火山,第2集、第46巻、第6号、2001) 規模の小さな地震活動が依然やや活発であり、26日に175回発生したが、それ以外は1日当たり0〜21回で、月回数は334回であった。
10月
11〜12、15,23日(火山,第2集、第46巻、第6号、2001) 11〜12日に7回、14日に4回の爆発を観測した。十島村役場によると、11日14時頃から御岳より夕食噴煙が上がっているのが確認され、11〜12,15,23日に島内で降灰があった。
11月
16、18〜19,23〜24日(火山,第2集、第47巻、第1号、2002)

噴火、噴煙が発生し、有色噴煙及び降灰が確認された。十島村役場によると、16日に火山灰を含む噴煙が上がり、16、18〜19,23〜24日に島内で降灰があった。また、16〜18日にかけて鳴動があった。

15〜20日(火山,第2集、第47巻、第1号、2002) 15日16時頃から火山性微動が発生し、16日12時頃からは有色噴煙の噴出に伴うとみられる連続的な空振を観測し、その後21時30分には爆発を観測した。

16〜20日(火山,第2集、第47巻、第1号、2002)

規模の小さな地震は依然やや活発であり、地震回数は16〜20日にかけて、1日当たり32〜55回であった。月回数は271回であった。
12月
2〜5,9〜11,28〜31日(火山,第2集、第47巻、第1号、2001) 4〜5,10〜11,28〜30日に火山灰を含む噴煙が上がり、2〜3,5,9〜11日に島内で降灰があった。
 4,28〜29日にも爆発があり、28〜31にかけて連続的な火山性微動を観測した。
11、28日(火山,第2集、第47巻、第1号、2002) 規模の小さな地震活動は依然やや活発であり、地震回数は11日32回、28日39回と一時やや多い状態であった。月別回数は162回であった。
2002
平成14年

 1月

18、19,20〜24,27日(火山,第2集、第47巻、第2号、2002)

噴火・爆発が発生し、有色噴煙が確認された。18、20〜24,27日に計23回の爆発があった。十島村役場によると、19〜21,23日に時折鳴動が確認された。また20、22〜24日には爆発音があり、そのうち23、24日には、障子が震える程度の空振があった。21〜23日に火山灰を含む噴煙の噴出を確認したが、集落への降灰は確認されなかった。

1,18〜27日(火山,第2集、第47巻、第2号、2002) 火山性微動は、1日に孤立的な微動が14回発生したほか、18〜27日にかけて噴火活動によるものとみられる連続的な火山性微動が発生した。月回数は、151回であった。
 2月
28日〜(火山,第2集、第47巻、第2号、2002) 28日19時28分から連続的な火山性微動を観測し、同日19時30分頃から20時頃にかけて、噴火に伴うとみられる空振を観測したが、十島村役場によると、噴煙の状況は雲による視界不良のため不明であった。また、島内で降灰は確認されなかった。地震回数は1日当たり0〜23回で、月回数は38回であった。
 3月
1〜5日(火山,第2集、第47巻、第3号、2002) 2月28日〜3月5日に火山活動が活発化し、爆発地震と連続的な火山性微動を観測した。月の爆発回数は31回であった。
 十島村役場諏訪之瀬島出張所によると1日夜〜3日に爆発音、体感空振及び火映現象が確認され、2日夜〜3日に集落で降灰があった。また24日には火山灰を含む噴煙が確認された。噴煙高度の最高は700M(2日)であった。地震月別回数は86回であった。
 4月
10〜14日(火山,第2集、第47巻、第3号、2002)

10〜14日に火山活動が発生した。12日、鹿児島県の協力により上空から火口の状況や山体の地形の観測を行ったところ、2000年12月にできた御岳北東側の火口は直径約200mとなり、灰白色の噴煙を上げ、2001年5月より若干拡大していることを確認した。爆発回数は32回、地震回数は57回であった。

 5月
17、21日(火山,第2集、第47巻、第4号、2002) 噴火・爆発が発生し、有色噴煙が確認された。月の爆発回数は17回であった。十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、17日には爆発音と体感空振が、21日には火山灰を含む噴煙が上がっているのが確認された。気象庁が15〜20日に実施した機動観測でも、火口の現地観測で灰白色の噴煙が上がっているのを確認した。地震回数は3回である。
 6月

18、28,30日(火山,第2集、第47巻、第4号、2002)

十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、18、28,30日に火山灰を含む噴煙が上がっているのが確認され、18日には集落(御岳の南約4km)で降灰があった。噴煙の高さの最高は、8日10時54分の爆発に伴う、火口縁上1000mであった。月の爆発回数は15回、地震回数は68回であった。21日に継続時間の短い微動が11回、22日に16回とやや多く発生した。
 8月
17〜26日(火山,第2集、第47巻、第5号、2002)  1994年以降、噴煙を火口上数百mまで上げる程度の小規模な噴火が時折発生してきたが、19日未明からやや規模の大きい連続的な噴火が発生し、21日まで活発な噴火活動が継続した。
 断続的に発生していた微動は、17〜21日にやや規模の大きい連続的な噴火が発生した時には、12〜32Paの大きい連続的な空振を伴う微動が観測された。今回の活動中に発生した空振は、観測を開始した最近1年間で最も大きく、島内では爆発音や鳴動が聞かれた。
 21日に海上自衛隊の協力により実施した上空からの観測では、火山灰を多量に含む灰色の噴煙が火口上1500mまで上がり南に流れているのを観測した(前期間の最高は火口縁上1000m)。噴煙は2000年12月に確認された新たな火口から噴出している模様であった。その後、活動は徐々に低調になり、爆発は23日を最後に発生していない。
 なお、今回の活動期間中、噴煙は風により主に海上に流れたため、島内の集落への影響は少量の降灰が確認された程度であった(北風が強まった20日には、奄美大島の名瀬市でごく少量の降灰が確認された)。
 爆発回数は42回、火山性地震の回数は912回であった。
9月
?(火山,第2集、第47巻、第6号、2002) 従来からの山頂ストロンボリ式噴火が継続した。時折噴煙を火口上数百mまで上げる程度の小規模な山頂噴火が、今期間も引き続き発生した。爆発回数は15回であった。
 十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、時折火山灰を含む噴煙が確認され、噴煙の高さの最高は火口縁上1000mであった。また、島内の集落では、時折爆発音や鳴動が聞こえ、少量の降灰が確認された。
 微動が断続的に発生し、噴火活動が高まった時期には連続微動となった。火山性地震の回数は、411回であった。
11月
5〜8,21〜22日(火山,第2集、第48巻、第1号、2003) 従来からの、噴煙を火口縁上数百m程度まで上げるストロンボリ式噴火が継続した。上旬に噴火活動が一時的にやや活発になり、6〜8日に35回発生した。月別爆発回数は35回であった。
 十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、最高で火口縁上の高さ1000mに達する火山灰を含む噴煙が確認され、島内の集落では、噴火に伴う爆発音と鳴動、少量の降灰が観測された。また、6日に火映現象が確認された(火映の確認は10月8日以来)。
 噴火活動の活発化を示す微動の活動が、5〜8日、21〜22日以降に高まり、連続微動状態となった。微小な地震がやや増加し、月回数は595回であった。
12月
4〜8,18、24〜26日(火山,第2集、第48巻、第1号、2003) 上旬および下旬に噴火活動が一時的にやや活発となり、爆発が5日に72回、24〜26日に10回発生した。月別爆発回数は、82回であった。18日に火映現象が確認された。噴火活動の活発化を示す微動の活動が、4〜8,18日以降に高まり、連続微動状態となった。地震回数は464回であった。
2003
平成15年
 5月
8,9〜1022、23日(火山,第2集、第48巻、第4号、2003) 噴煙を火口縁上数百m程度まで上げるストロンボリ式噴火が時折発生した。十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、島内の集落では、9〜10日に鳴動が確認され、8,9,22,23日に少量の火山灰が確認された
 地震活動は、A型地震の月回数は53回と少なかった。B型地震は235回であった。
 6月
5,10,21日(火山,第2集、第48巻、第4号、2003) 10日8時20分〜49分および53分〜9時20分に比較的大きい空振を伴う連続的な噴火が観測された。島内の集落では、10日に鳴動が確認され、5日、10日、21日に少量の降灰が確認された。
 地震活動は、A型地震の月別回数は39回と少なかったが、10日に日回数15回とやや多発するのが観測された。B型地震は14〜23日にかけてやや多くなり、月回数は530回となった。噴火活動の活発化を示す継続時間の長い微動がたびたび発生した。特に10日8時20分からの1時間は、連続的な噴火が発生したことを示す連続的な空振を伴った微動が観測された。
 9月
1,3〜5,19,22〜24,29,30日(火山,第2集、第48巻、第6号、2003) 1,3〜5,19,22〜24,29,30日に噴火が確認された。うち、爆発が1日に1回発生した。十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、島内の集落では、19日、22日、29日に降灰が確認された。
 10月
1〜4,9〜11,21日(火山,第2集、第48巻、第6号、2003) 1〜4,9〜11,21日に噴火が確認された。内、爆発が3日に3回、9日、10日に各1回発生した。
 十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、3日の爆発に伴い発生した空振により、島内の集落で襖が「カタカタ」と揺れた。地震活動には大きな変化はなかったが、連続微動がしばしば観測されており、火山活動はやや活発であった。
12月
?(火山,第2集、第49巻、第1号、2004) 従来からの小規模な山頂噴火が継続した。噴火がしばしば発生し、爆発が6回発生した。十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、島内の集落では、時折、降灰が確認された。地震活動には特に大きな変化はなかったが、連続微動がしばしば観測されており、火山活動はやや活発であった。
2004
平成16年
1月
2〜7,20〜23日(火山,第2集、第49巻、第2号、2004) 十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、2〜7,20〜23日に火山灰混じりの噴煙が上がるのが確認された。うち、爆発は7回発生した。風向きによっては、島内の集落で微量の降灰があった。連続微動もしばしば観測されており、火山活動はやや活発であった。
2月
1,4〜8日(火山,第2集、第49巻、第2〜3号、2004) 1,4〜8日に火山灰混じりの噴煙が上がるのが確認された。うち、爆発は2回発生した。
16日に海上自衛隊鹿屋航空基地救難飛行隊の協力を得て実施した上空からの観測において撮影した写真を検証した結果、御岳火口内に新しい火孔が形成されているのを確認した。
3月
2,3,12,15〜20,23〜26日(火山,第2集、第49巻、第3号、2004)  2,3,12,15〜20,23〜26日に火山灰を含んだ噴煙が上がり、2日、3日12日、15日、24日及び26日には集落で少量の降灰があった。また、時折連続微動を観測した。25日に爆発が1回発生した。
4月
24、25,28,29,30日(火山,第2集、第49巻、第3号、2004)  28日〜5月2日に活動が活発になり、噴火を43回観測した。そのうち40回は爆発的噴火で、5月1日には35回と多発した。望遠カメラによると、期間中の噴煙の高さは火口縁上1000M(灰白色)であった。十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、28日、29日に大量の火山灰を含んだ噴煙を上げているのを確認した。集落では降灰はなかった。火山性微動は、28日に多発し、以後断続的に発生した。特に30日夜〜5月1日にかけて約26時間連続した。
 24日及び25日に火山灰を含んだ噴煙が上がり、集落で少量の降灰があった。
5月
1,2日(火山,第2集、第49巻、第4号、2004)  4月28日〜5月2日に火山活動が活発になり、噴火を43回観測した。その内40回は爆発的噴火で、5月1日には35回(全て爆発的噴火)と多発した。監視カメラ(御岳の北東約25kmの中之島に設置)によると、この活動期間中の噴煙高度の最高は火口縁上1000M(灰白色)であった。十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、4月28日、29日及び5月1日に多量の火山灰を含んだ噴煙を上げているのが確認され、5月1日朝には爆発音や鳴動が確認された。集落では降灰はなかった。火山性微動は、4月28日に多発し、以後この活動期間中、断続的に発生した。特に4月30日夜〜5月1日夜にかけて約26時間連続した。
6月
7〜11,30日(火山,第2集、第49巻、第4号、2004) 7〜11日に火山性微動が再び活発となり、7日に73回、8日に2回、9日に22回の計97回の爆発的噴火を観測した。出張所によると、7〜11日にかけ多量の火山灰の噴出が確認され、9日及び10日に集落で降灰があり、7日及び9日には爆発音が聞こえた。監視カメラ及び出張所によると8日及び10日の火口縁上1200m(灰白色)であった。火山性微動が7〜11日に断続的に発生し、特に8日午後から10日朝にかけて42時間余り連続した。噴火は30日にも1回観測され、噴煙の高さは1000m(灰白色)であった。出張所によると集落に降灰は観測されなかった。
7月
1,5日(火山,第2集、第49巻、第5号、2004)  1日と5日に噴火が発生した。1日には監視カメラで噴火を3回観測した。特に14時54分に始まった噴火は日没まで継続した(終了時刻不明)。噴煙の高さの最高は火口上1000m(灰白色)であった。5日には爆発的噴火を1回観測した。噴火が夜間であったため噴煙等は不明であった。出張所によると1日に火山灰を含んだ噴煙を高さ1000mに上げているのが確認されたが、期間中、集落への降灰はなかった。火山性連続微動が1日及び5日に発生したが、その後は火山性地震、微動とも活動は低調であった。
 9月
23日(火山,第2集、第49巻、第6号、2004) 23日昼過ぎに火山灰混じりの噴煙が南東方向へ流れているのが確認された。
10月
5,23,28日(火山,第2集、第49巻、第6号、2004)

5日に少量の火山灰を含む噴煙が火口縁上700mの高さに上がっているのが確認された。爆発的噴火が23日に4回発生し、23日朝に集落で多量の降灰があった。爆発的噴火が発生したのは7月5日以来である。28日には監視カメラで灰白色の噴煙が高さ虎口縁上400mまで上がって西に流れるのが観測された。23日以外は集落への降灰はなかった。火山性連続微動が、22〜24日、26日及び28日に発生した。
 13〜18日に 実施した調査観測および16日に海上保安庁の協力により実施した上空からの観測によると、今年2月に御岳火口内に新しく確認された火孔は火山灰や土砂で埋もれ、御岳火口内の旧来の火孔かえあ上がる少量の噴煙と青白ガスが確認された。

11月
19、21〜24,29〜(火山,第2集、第50巻、第1号、2005) 噴火が19日、21〜24日、29〜12月1日に発生した。19日8時38分の噴火では灰白色の噴煙が火口縁上高さ300m、23日15時15分の噴火では同500mまで上がっているのが監視カメラで観測された。出張所によると21日及び30日に集落で降灰があったことが確認されている。
 火山性微動は、継続時間の短いものが、21〜27日にやや多く発生した。26日に連続微動が発生した。
12月
1,19〜25、27,29日(火山,第2集、第50巻、第1号、2005) 噴火が1日、19〜25日、27日及び29日に発生し、爆発的噴火が5回発生した(22,24〜25,27,29日に各1回)。1日に多量の火山灰を含んだ噴煙が上がり西へ流れているのが確認された。また、19日13時杉から21日7時頃、及び21日昼頃から22日にかけて火山灰を含む噴煙が上がっているのが確認され、21日午後には高さ火口縁上800mで南東に流れる灰白色の噴煙が確認された。その後、23〜25日及び29日にも時々火山灰を含む噴煙が上がっているのが確認された。噴煙高度の最高は、1日及び20〜23日の火口縁上800mであった。なお、爆発時の噴煙の状況は、雲もしくは夜間のため不明であった。出張所によれば、12月は集落で降灰はなかった。
 火山性微動は19〜25日、27日及び29日に継続時間の短いものがやや多く発生し、20日には日回数60回と多発した。また、21日13時30分頃〜21時30分頃及び22日9時30分頃〜21時頃に連続微動が発生した。火山性地震は20〜25日に日回数22〜32回とやや多く発生した。
2005
平成17年
1月
2,4,8,11〜14,22,26,28〜29日(火山,第2集、第50巻、第2号、2005)

2,4,8,11〜14,22,26,28〜29日に噴火が発生し、爆発的噴火が2回発生した。爆発は2日及び4日に各1回発生したが、監視カメラによる観測では、爆発時の噴煙の状況は雲もしくは夜間のため不明であった。出張所によると、2日、8日、11〜14日、22日、26日、28〜29日に火山灰を含む噴煙が確認され、13日、14日には集落で降灰があった。監視カメラによる観測及び出張所によると、噴煙の最高高度は2日、8日、11日、26日の火口縁上約600mであった。
 火山性連続微動が29〜31日に発生した。また、継続時間の短い微動は1月に75回発生したが、12月より減少した。火山性地震は日回数が10日25回、18日30回、29日46回と時々やや多く発生した。

2月
21〜23,28日(火山,第2集、第50巻、第2号、2005) 21〜23日及び28日に噴火が発生し、火山灰を含む噴煙が確認され、22日及び28日に集落で降灰があった。噴煙の最高高度は23日の約600mであった。
 6日以降、地震計の故障のため地震及び微動の発生状況不明。
3月
1〜2、6〜10,12〜14,20日(火山,第2集、第50巻、第3号、2005)

噴火が1〜2、6〜10,12〜14,20日に発生した。爆発的噴火はなかった。出張所からの報告及び望遠監視カメラによる観測によると、火山灰を含んだ噴煙の最高高度は8〜10日の火口縁上約1000mであった。また、1日、2日、20日に集落で少量の降灰があった。
 火山性連続微動が 6〜15日、21日に断続的に観測された。

4月
4〜6,8,23、25〜27日(火山,第2集、第50巻、第3号、2005) 噴火が4〜6,8,23、25〜27日に発生した。爆発的噴火はなかった。噴煙の最高高度は25〜27日の約1000mであった。26日に集落で少量の降灰があった。
 火山性連続微動が4〜8日及び23〜27日に断続的に観測された。特に23〜27日に観測されたものは震幅のやや大きなものであった。
5月
20〜21,26〜31日(火山,第2集、第50巻、第4号、2005) 噴火が20〜21,26〜31日に観測された。活動は30日夕方から活発になり、爆発的噴火が時々観測された。爆発が観測されたのは、今年1月4日以来であった。出張所によると20日及び30日に集落で降灰があった。
 火山性連続微動が、23日に観測されたほか、26日夕方からは、振幅のやや大きいものが、噴火活動の消長に伴って6月3日朝まで断続的に観測された。
6月
1〜3,7日(火山,第2集、第50巻、第4号、2005) 噴火が1〜3,7日に観測された。5月30日夕方から活発な状態が3日まで続いた。爆発は、1日に7回観測されるなど、5月30日〜3日の間に合計20回観測された。その後、爆発は7日にも2回観測された。出張所からの報告及び監視カメラの観測によると、期間中の噴煙の最高は1日9時頃に出張所から確認された火口縁上3000mであった。
 火山性連続微動が、5月26日夕方から3日朝まで断続的に観測された。その後はしばらく観測されなかったが、30日に再び観測され始め、7月に入っても続いている。
7月
6,27日(火山,第2集、第50巻、第5号、2005)

噴火が6日、27日に観測された。6月30日(前期間)〜7日に振幅のやや大きな火山性連続微動が観測されるなど、7月上旬に活動が活発になり、6日に爆発的噴火が4回観測された。噴煙の状況は悪天のため不明であった。火山性地震もやや多く発生し、1〜7日には1日あたり7〜39回観測された。27〜30日に活動がやや活発になり、27日に噴火が観測された。出張所によると、27日17時頃、火山灰を含む噴煙が火口縁上800mまで上がり、南東に流れていた。28日に震幅のやや大きな火山性連続微動が観測された。29〜30日には火山性地震がやや多く発生し、29日に81回、30日に64回観測された。

8月
10〜11,27〜29日(火山,第2集、第50巻、第5号、2005) 10日未明から活動が活発になり、10日朝から11日にかけて噴火が断続的に観測された。爆発的噴火は観測されなかった。噴煙の最高は10日9時に監視カメラで観測された火口縁上1500m(灰白色)であった。活動の活発化に伴い、火山性微動も10日未明から12日にかけて震幅のやや大きなものが断続的に観測された。また、12日には火山性地震もやや多く発生した。出張所のよると27〜29日に火山灰を含む噴煙が火口縁上500〜700mまで上がっているのが確認された。火山性地震及び火山性微動の活動には特段の変化はなかった。出張所によると、期間中、集落への降灰はなかった。
9月
7〜9,21〜23日(火山,第2集、第50巻、第6号、2005) 7〜9,21〜23日に噴火が確認された。出張所によると、7〜9日に火山灰を含む噴煙が火口縁上200〜1000mまで上がっているのが確認された(集落では降灰はなし)。21日夜から22日朝にかけて集落で降灰が確認され、22日早朝から11時頃まで火山灰を含む噴煙が火口縁上1000んまで上がっているのが確認された。翌3日にも火山灰を含む噴煙が火口縁上1000mまで上がり、集落で降灰が確認された。
10月
6〜9,29〜31日(火山,第2集、第50巻、第6号、2005) 6〜9,29〜31日に噴火が確認された。6〜9日の噴火は活発で、爆発的噴火が7日に9回、8日に8回観測された。爆発的噴火が観測されたのは、7月6日以来であった。出張所によると、7〜8日に集落で鳴動が聞こえ、6日及び9日には集落で降灰があった。噴煙の最高は、出張所により確認された火口縁上1000mであった。また、29〜31日にも火山灰を含む噴煙が上がっているのが確認された(集落で降灰はなし)。
11月
1〜5,7〜10,12、18〜19,23〜28日(火山,第2集、第51巻、第1号、2006) 1〜5,7〜10,12、18〜19,23〜28日に噴火が観測された。噴煙の最高は2日に観測された火口縁上1500mであった。その他の噴火では、噴煙の高さは火口縁上300〜1000mであった(2日及び3日は監視カメラ。その他は出張所による)。出張所によると2日、4日、18日、23日に集落で降灰があった。
 火山性微動は、2日夕方から11日未明にかけて断続的に発生し、4日から7日朝にかけて振幅のやや大きなものが観測された。その後、継続時間の短いものが13〜14日にやや多く発生し、19〜20日には連続的に観測され、23〜28日には連続的なものを含めてやや多く発生した。火山性地震は27〜28日に多発し、日回数はそれぞれ27日88回、28日117回であった。その他の火は少ない状態であった。
12月
9〜12,20,22日(火山,第2集、第51巻、第1号、2006) 9〜12,20,22日に観測された。22日には爆発的噴火が1回観測されたが、噴煙の状況は不明であった。9〜10日に集落で降灰があった。20日には集落では降灰はなかったが、切石湊で少量の降灰があった。
 火山性微動は、9〜10日には連続的なものを含めてやや多く発生した。
2006
平成18年
 1月
1,9〜11,17〜19日(火山,第2集、第51巻、第2号、2006) 1,9〜11,17〜19日に噴火が確認された。出張所によると、1日、10日、18日、25日に集落で降灰があった。10日午後には集落で3回の爆発音が聞こえ、ガラスが割れるほどの空振があった。
 火山性微動は、噴火活動の活発化に伴い、24〜2月1日に振幅のやや大きなものが断続的に観測された。
 2月
1,6〜10,13,15〜18,22〜24日(火山,第2集、第51巻、第2号、2006) 1,6〜10,13,15〜18,22〜24日に噴火が確認された。特に、6〜9日及び23日には小規模な爆発的噴火が多発し、6〜9日に187回、23日には41回観測された。出張所によると、24日に集落で、23日には切石港で降灰があった。23日には集落で鳴動(火山活動に伴って聞こえる音のことで、「ゴー」という低い音で聞こえることが多く、噴火や活発な噴煙活動などが原因と考えられている。地震動に伴う音響は一般に地鳴りと呼ばれているが、火山周辺ではこれも鳴動と呼ばれることがある。爆発的噴火に伴って聞こえる爆発音は鳴動と区別される)が聞こえた。
 火山性微動は、噴火活動の活発化に伴い、1日、6〜10日、15〜17日及び23〜24日に振幅のやや大きなものが断続的に簡素化された。火山性地震も、噴火活動の増加に伴い、6〜10日、15〜17日及び23〜24日に増加し、23日には296回と多発した。
3月
2〜8,15日(火山,第2集、第51巻、第3号、2006) 2〜8,15日に噴火が発生し、特に3日と5〜7日には小規模な爆発的噴火が多発し、3月の爆発回数は243回に上った。出張所によると、4日、6日および7日に集落で降灰があった。また、出張所からの報告では、噴火による噴煙の最高は火口縁上1200m(5日)であった。
 火山性地震は噴火活動の活発化に伴い、5〜7日にかけて増加し、5日には354回と多発した。火山性微動は、噴火活動の活発化に伴い、2〜8日と15日に火山性連続微動を観測した。
4月
小規模噴火(火山,第2集、第51巻、第3号、2006) 4月は爆発的噴火は発生せず、噴火も小規模な噴火が時折発生する程度で推移した。出張所によると、27日に集落で降灰があった。
 火山性地震は、4月に入ってからは少ない状態で経過した。火山性微動は、噴火活動の活発化に伴い、4日〜19日と26〜29日にかけて火山性連続微動を観測したが、3月に比べて震幅は小さかった。
5〜6月
 小規模噴火(火山,第2集、第51巻、第4号、2006) 今期間、爆発的噴火は発生せず、小規模な噴火が時折発生する程度で推移した。火山性連続微動は時々発生したが、火山性地震は低調な状態で経過した。
7月

 26、27、30日(火山,第2集、第51巻、第5号、2006)

 爆発的噴火が発生したほか、小規模な噴火も時々発生し、噴火に伴い、火山性連続微動が観測された。十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、7月29〜31日と8月1日、12日〜15日に集落で降灰が認められた。火山性地震はやや多い状態で経過した。

8月

13日、14日および28日(火山,第2集、第51巻、第5号、2006)
9月
22日、26日に降灰(火山,第2集、第51巻、第6号、2006) 10月6日および16日から18日にかけて爆発的噴火があったほか、小規模な噴火も時々発生した。噴火に伴い、火山性連続微動が観測された。十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、9月22日及び26日、10月2日、7日及び11日に集落で降灰が認められた。火山性地震はやや多い状態で経過した。
10月
6日、16日〜18日(火山,第2集、第51巻、第6号、2006)
11月
7日に爆発的噴火、4日、17日に降灰(火山,第2集、第52巻、第1号、2007) 11月7日、12月20日に爆発的噴火があったほか、小規模な噴火も時々発生した。十島村役場諏訪之瀬島出張所によると11月4日、17日及び12月19日に集落で降灰が認められた。噴火活動に伴い火山性連続微動が発生した。火山性地震はやや多い状態で経過した。
12月
20日に爆発的噴火、19日に降灰(火山,第2集、第52巻、第1号、2007)